なかなか寝付けなかったのにもかかわらず、6時に起床して7時には出発していました。朝日に輝くカテドラルこそ至高、と勝手に決め付けていたため夜明け前の道を走ります。なかなか太陽が出てこないので、時間調整のためにバルに寄ってコーヒーをいただきます。走り始めてちょっとすると霧雨の模様になってきました。あちゃー、到着日が悪天候なんてしまりが悪すぎる! ちょうど日の出の時刻となる8時ころに最後の山越えをしてサンティアゴ市内を一望する丘「喜びの丘」に到着です。むむ、ガスってしまってカテドラルがまったく見えません。がっかりの丘を後にしてカテドラルのあるサンティアゴ市内に入ります。
カテドラルのある広場まで石畳の路地を走っていると、これまでのことが思い出されます。ロシアトレーラー事件やグリーンカードで困ったこと、いろんな人に助けられたことなどなど。さすがにぐっとくるものがあります。細い道を右へ左へ曲がって広場に出ると、2つの尖塔をもつカテドラルが現れました。仏アミアンのノートルダム大聖堂のほうが規模が大きく華やかです。モスクワのワシリーのように個性的でもありません。それでもサンティアゴのカテドラルはこれまでに見てきた数々の世界遺産に劣らずすばらしいものに思えました。1時間くらい広場に座ってカテドラルや巡礼者を眺めながら、やればできるものだな、とつぶやいていました。言葉に表せないのが歯がゆいですが、この瞬間は間違いなく最高でした。
記念撮影をして観光案内所を探します。巡礼事務所もあり、スタンプがもらえないかなと立ち寄ってみましたが、巡礼証明書の発行待ちでごった返しています。そこまでしてスタンプが欲しいわけではないので、市内を散歩することにします。
どうしたわけか、市内を散歩しても「ふーん」という感じであまり面白くありません。駐車場がある手ごろな宿もないので、喜びの丘にあるYHに宿をとることにします。YHに行って巡礼者割引ができないか試しに聞いてみると、フロントの姉さんがおやという顔をして、どこで手に入れたのか聞いてきます。SJPPの巡礼事務所でもらったんだけど、まずいかな。
「ちょっと問題だね。徒歩か自転車、馬での巡礼者のみが手にできるんだよ。あなたは巡礼者(ピルグリム)とはいえないよ。」
薄々気づいてはいましたが、巡礼終点地でこうもばっさりやられるとは! はっきりと「違う」といわれたこともさることながら、馬ならOKという事実がショッキングでした。そのようなやんごとなき方がいるのだろうか。
“コンポステーラ”は「星の降る丘」という意味だそうです。この丘の上からならさぞかし綺麗なんだろうな、と思っていましたが夕刻からは曇りなのでした。カテドラルに到着した瞬間は最高の気分でしたが、それ以降はどうもいろいろと脱力感に襲われています。
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