■コンポステラへの道
キャンプ場を出発して、サン・ジャン・ピエー・ド・ポー(以下SJPP)へ向かいます。遠くにピレネー山脈がそびえ、なだらかな丘の合間を走ります。バックパックを背負って杖を突きながら歩く人や、ロードバイクを駆る人たちを横目に見やりながらしばらく走ると、ホタテ貝をモチーフにしたコンポステラのシンボルを発見! ボルドーからここまでも巡礼路のようでしたが、このマークを目にすると実感がわいてきます。
SJPPはフランス側の巡礼路が集結する、ピレネー越えの拠点のだそうです。このほかのルートもあるようですが、それはまたの機会に譲ることにしましょう。出発から40Kmほどで丘の中腹に建設された街が見えてきます。SJPPに到着です。欧州に入ってから平地を走ってきたせいか、斜面に沿ってできた街並みは新鮮に感じられます。
その昔はピレネー山脈に向かって開かれた「スペイン門」をくぐって山越えが始まったようです。ちなみに、フランスのパリからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの巡礼路は世界遺産に登録されています。道それ自体が世界遺産になっているのは珍しく、あとは日本の紀伊山地の参詣地くらいだそうです。
■旅人から巡礼者へ
まずは巡礼路の情報を集めるために観光情報局を訪ねると、スタッフのみなさんが暖かく迎えてくれます。ピレネー越えのルートには徒歩ルートと車道があり、徒歩ルートは車はもちろんのことバイクも入ることはできないらしい(走るなんてとんでもない、というハードなルートだったようです)。バイクで日本から来たことを知ると質問攻めと写真撮影が始まり、「彼女はワシントンポストの人だ」と記者と思しき人を連れてくるなどいたく珍しがられたのでした。
コンポステラまでのルートを聞くと、巡礼者手帳をくれました。キリスト教徒じゃなくても巡礼者になれるものなのですね。この手帳はスタンプ帳を兼ねているようで、「第一歩だ」といってSJPPのスタンプをどすんと押してくれます。お、なんだか道の駅スタンプラリーみたいだぞ。ジップロックをつけてくれる気遣いがとてもうれしい。SJPPでは中世スタイルの杖や帽子など巡礼者グッズのほか、最新のアウトドアグッズが売られていて売店をのぞいているだけでもなかなか楽しいものです。思う存分冷やかした後にピレネー越えに出発です。
■ピレネー越え
SJPPからスペイン側の拠点・パンプローナまでは約60Kmの道のりです。道の状態はかなり良く、バイクや自転車がかなり攻める走りをしていました。標高約1,050mの峠でも気温は15℃くらいと比較的暖かく、雪を気にしていたのが馬鹿らしくなるほどでした。山越え中とはいえ、10Kmおきに小さな村が点在しています。バーやレストラン、スーパーまであるので徒歩巡礼にはうれしいことでしょう。峠道を終えてパンプローナに近づくにつれて岩肌が目立つようになりました。フランス側は緑が多く、道も森の中を走っているかのようでした。さらにスペイン側は日差しがきつく、山脈を越えるだけでこれだけ違うものなのかと驚きます。
パンプローナをパスして巡礼路を追うことにします。ホタテマークが指し示す方向を行くと、道の脇にぽつんと教会が建っています。寄ってみると、教会の門は閉まっていますが、その脇にある小屋(といっても石造りの立派なもの)の前にスタンプ台が置かれています。小屋の中は徒歩巡礼者のための休憩室を兼ねた情報所になっていました。さっと見学して走り出すと、道は小さな街の中に吸い込まれていきます。道を追っていくと、ツーリストインフォメーションを発見しますが、時は16時で書き入れ時のはずなのに閉まっていました。これがかの有名なシエスタか…!
■巡礼者手帳の効力
こちらもそろそろ宿を探さないといけないので次の街に向かいます。寄り道しながら1時間ほど走り、エスティーリャに到着します。ツーリストインフォメーションでフリーマップをもらって、YHの場所を確認すると「あんたピグリムかい?」と聞かれます。ピクミンは架空の生物、ピオリムは素早さ向上だ。詳しく聞いてみると巡礼者のことをピグリムといい、巡礼者手帳を提示すれば特別料金でYHを利用できるらしい。YHに行ってみると、やはりピグリムか聞かれます。手帳を差し出すと1泊9ユーロ*と破格の値段になるのでした。巡礼者手帳をくれたSJPPのスタッフに感謝! 4人部屋をひとりで占有してゆっくり過ごすのでした。
*ピグリム価格にシーツ代は含まれていないので寝袋必須です。なぜか枕カバーだけはもらえます。
2011/10/01
2011/09/15
リューベック
ハンザ同盟の本部がおかれ、海運都市として繁栄を極めたというリューベックに到着。旧市街は運河に囲まれてちょっとした城砦のように見えます。この日は朝から海から吹いてくる強風と時々降ってくる雨に悩まされました。ロンプラにも歩き方にもリューベックの地図は掲載がないのでまずは観光情報局でフリーマップを入手します。旧市街内のホステルを紹介してもらいますが、駐車場がないので他をあたります。日本でもおなじみのユースホステルはドイツが発祥の地です。というわけでドイツのユースホステルがここリューベックにもありましたのでそこに宿をとることにしました。
荷物を降ろして旧市街内部を観光します。ぐるっと一回りして安いカフェで簡単に食事を済ませます。ソーセージとポテトのセットで、ビールのお供にちょうどよい組み合わせですね。ホステルに戻るとドイツ人のお子様ご一行であふれていました。ユースの名に恥じない客層で、にぎやかな夜を過ごすのでした。
荷物を降ろして旧市街内部を観光します。ぐるっと一回りして安いカフェで簡単に食事を済ませます。ソーセージとポテトのセットで、ビールのお供にちょうどよい組み合わせですね。ホステルに戻るとドイツ人のお子様ご一行であふれていました。ユースの名に恥じない客層で、にぎやかな夜を過ごすのでした。
2011/09/14
ドイツ入国
湖畔のペンションを出発して西へ向かいます。シュテッチンを通過して西へ行くこと10Kmほどでドイツ国境に到着です。到着といっても荷物検査も何もないただの道路です。ここを越えるとヨーロッパ中心部に突入します。物価が高いんだろうなぁ…。余ったポーランド通過を使い切るために食料や消耗品を買い込みます。ドイツ側に入国するとガソリンの単価が150円くらいになりました。ロシアでは65円、バルト三国およびポーランドでは130円くらいでした。
ドイツでも大都市は避けて比較的小さな街を経由することにします。最初の目的地は北部のバルト海に程近いリューベック。ドイツが誇るアウトバーンは走ってみたいものですが、120Km/hは当たり前ということなので田舎道を北上します。田舎道といっても制限速度は90Km/hなのでどしどし追い越しをかけられます。しかもドイツは自転車道の整備が進んでおり、車道の幅を狭くしてでも自転車通路を確保しています。チャリダーには理想の環境といえそうですが、道が狭くなったぶん追越されるときは結構怖いものです。
北上して100kmほど走ったところからホテルを探し始めます。これまでの国では宿泊施設があるところにはたいてい道路標識がでているものでしたが、ドイツではホテルの道路標識あまり見当たりません。そのくせスーパーごときが道路標識に名を連ねているのは不思議です。ドイツではカフェつき宿はガストホーフというそうですが、それも見当たりません。さらに80kmほど走って道沿いにHOTELの文字が見えました。小奇麗なホテルで朝食付きでwifi使用可能、シングルで48ユーロです。少々高くつきますが初日はここで一泊して今後の対策を考えるのでした。
ドイツでも大都市は避けて比較的小さな街を経由することにします。最初の目的地は北部のバルト海に程近いリューベック。ドイツが誇るアウトバーンは走ってみたいものですが、120Km/hは当たり前ということなので田舎道を北上します。田舎道といっても制限速度は90Km/hなのでどしどし追い越しをかけられます。しかもドイツは自転車道の整備が進んでおり、車道の幅を狭くしてでも自転車通路を確保しています。チャリダーには理想の環境といえそうですが、道が狭くなったぶん追越されるときは結構怖いものです。
北上して100kmほど走ったところからホテルを探し始めます。これまでの国では宿泊施設があるところにはたいてい道路標識がでているものでしたが、ドイツではホテルの道路標識あまり見当たりません。そのくせスーパーごときが道路標識に名を連ねているのは不思議です。ドイツではカフェつき宿はガストホーフというそうですが、それも見当たりません。さらに80kmほど走って道沿いにHOTELの文字が見えました。小奇麗なホテルで朝食付きでwifi使用可能、シングルで48ユーロです。少々高くつきますが初日はここで一泊して今後の対策を考えるのでした。
2011/09/13
湖畔のペンション、再び
破格の宿代に後ろ髪を引かれながらもグダンスクを出発します。目指すはドイツ国境に程近い、重要港を擁する海運都市シュテッチン。シュテッチンまでは6号線でまっすぐいけますが、走って面白い道ではなさそうでしたので県道クラスの道を乗り継いでいくことにしました。ポーランドは道の程度もよく、標識がとても親切なのでこのような余裕ができます。
ガソリンスタンド併設のバールにて昼食を済ませて、走り出す。走って食べて、また走るというリズムがとっても懐かしいです。田舎道を60Km/h程度でゆっくり走っていたら燃費が35Km/Lとこの旅で最高値をたたき出しました。さすが250cc。
今日は走るだけ走ってシュテッチンまで40Kmまで近づきました。地図を見ると大小さまざまな湖があるようでした。以前のペンション宿泊が楽しかったのでペンションを探してみます。ひとまず湖ちかくに行ってみると、「宿あり」の看板が見えてきます。本当にポーランドは親切設計です。立ち寄ってみると湖に面しています、というだけで無個性なホテルでした。55PLとさほど高くもないのでここに宿をとることにします。湖に向かってルアーを投げてみましたが反応はありません。夕日鑑賞に切り替えてこの日は静かに幕を下ろすのでした。
ガソリンスタンド併設のバールにて昼食を済ませて、走り出す。走って食べて、また走るというリズムがとっても懐かしいです。田舎道を60Km/h程度でゆっくり走っていたら燃費が35Km/Lとこの旅で最高値をたたき出しました。さすが250cc。
今日は走るだけ走ってシュテッチンまで40Kmまで近づきました。地図を見ると大小さまざまな湖があるようでした。以前のペンション宿泊が楽しかったのでペンションを探してみます。ひとまず湖ちかくに行ってみると、「宿あり」の看板が見えてきます。本当にポーランドは親切設計です。立ち寄ってみると湖に面しています、というだけで無個性なホテルでした。55PLとさほど高くもないのでここに宿をとることにします。湖に向かってルアーを投げてみましたが反応はありません。夕日鑑賞に切り替えてこの日は静かに幕を下ろすのでした。
2011/09/12
2011/09/11
グダンスク
■早朝の散歩 ホステルの朝食は8時からだったので、朝6時に起きてトルンの市街地を散策します。観光客で賑わっていた前日の夕刻とは打って変わって静かな街並みを楽しめます。オールをしていたのか酔っ払った地元の人がふらついているかと思えば、おじさんおばさんが犬の散歩をしながら談笑している姿を見かけます。きっと治安がいいのでしょう。トルンは一泊だけと決めていたので、朝食を済ませると出発します。
■マルボルク城
ドイツ騎士修道会が建設した城の中でも無類の美しさを誇ると名高いマルボルク城。トルンからE75号線で80Kmほど北上し、22号線で東へ向かいます。22号線は国道のような主要道路のはずですが、アスファルトではなく石畳の道でした。情緒があっていいのですが、振動で走りにくいです。50Km/h制限がかかっていますがお構いなしに90Km/hくらいで走り去っていきます。
マルボルク城に関しては「一度は見るべし!」くらいの前情報しか仕入れておらず、遠目から城が見えてきたときはその大きさにびっくり。しっかり見学すると4時間かかるといわれてなお驚きます。城壁は2重で、それぞれ4階建てくらいの高さがあります。内部は入り組んでいて、城の大きさもあいまって自分がどこにいるのかわからなくなるほどです。各部屋は異なる通路とつながっており、常に逃げ道が用意されているような印象を受けました。身内でも信用できないような組織だったのでしょうか…? 教会や物見櫓などもあって見ごたえ充分です。中世好き、城好きにはたまらない場所でしょう。
■グダンスク
城をたっぷり見学してバルト海沿岸の港町・グダンスクを目指します。ヒルトンの隣に堂々と看板を掲げていたホステルには駐車場があったので今夜の宿はここに決定。1泊の予定でチェックインして荷解きをしていると、ホンダのシャドウに乗ったおっさんが話しかけてくる。とってもにこやかな人で、旅の話やバイクの話で雑談をする。
「この宿に何泊するんだい? なに、未定とな。よし、連泊するならディスカウントしちゃうぞ」 彼はホステルのオーナーだったようです。グダンスクはまあまあ大きそうな都市だし連泊しちゃおうか心が揺れました。単純ですね。
■マルボルク城
ドイツ騎士修道会が建設した城の中でも無類の美しさを誇ると名高いマルボルク城。トルンからE75号線で80Kmほど北上し、22号線で東へ向かいます。22号線は国道のような主要道路のはずですが、アスファルトではなく石畳の道でした。情緒があっていいのですが、振動で走りにくいです。50Km/h制限がかかっていますがお構いなしに90Km/hくらいで走り去っていきます。
マルボルク城に関しては「一度は見るべし!」くらいの前情報しか仕入れておらず、遠目から城が見えてきたときはその大きさにびっくり。しっかり見学すると4時間かかるといわれてなお驚きます。城壁は2重で、それぞれ4階建てくらいの高さがあります。内部は入り組んでいて、城の大きさもあいまって自分がどこにいるのかわからなくなるほどです。各部屋は異なる通路とつながっており、常に逃げ道が用意されているような印象を受けました。身内でも信用できないような組織だったのでしょうか…? 教会や物見櫓などもあって見ごたえ充分です。中世好き、城好きにはたまらない場所でしょう。
■グダンスク
城をたっぷり見学してバルト海沿岸の港町・グダンスクを目指します。ヒルトンの隣に堂々と看板を掲げていたホステルには駐車場があったので今夜の宿はここに決定。1泊の予定でチェックインして荷解きをしていると、ホンダのシャドウに乗ったおっさんが話しかけてくる。とってもにこやかな人で、旅の話やバイクの話で雑談をする。
「この宿に何泊するんだい? なに、未定とな。よし、連泊するならディスカウントしちゃうぞ」 彼はホステルのオーナーだったようです。グダンスクはまあまあ大きそうな都市だし連泊しちゃおうか心が揺れました。単純ですね。
2011/09/10
トルン
■外気1℃
朝6時ころに起きて外に出てみるとかなり冷え込んでいました。気温計は1℃でしたので、明け方前後には氷点下になっていたのかもしれません。こんなに寒いのではキャンプは厳しいことでしょう。キャンプ文化が発達しているという西ヨーロッパでではキャンプ三昧を期待していたのですが考え直さなければいけないようです。
■寄り道
トルンへ行く途中に大きな塔と時計台が見えたので立ち寄ってみます。ブロドニツァという手のひらに十字を描いた変わった紋章を持つ街です。街の側面を小さな川が流れています。川のほとりに街を築くのは定石なのでしょうか。規模は小さくて1時間ほどで旧市街を一回りできるようなところですが、きちんと観光情報局があるのは大変助かります。
■トルン到着
ドイツ騎士修道会の居城があるトルンに到着です。幅100mはありそうなヴィスワ川のほとりにあり、高台に建設されています。しかも城壁は3重にめぐらされているという堅牢なつくりです。重機もない時代によくこんな代物をつくったものです。
ひとまず宿を確保するべく観光情報局を目指します。無料地図をもらって中庭つきのホステルを目指します。ロゴが某チョコクロワッサンのカフェに似ているような。朝食付きで一泊30PL(750円)と抜群のコストパフォーマンスでご満悦です。バイクの整備と街の散策をしてこの日はおしまいです。トルンは1泊だけして次の都市に向かいます。
朝6時ころに起きて外に出てみるとかなり冷え込んでいました。気温計は1℃でしたので、明け方前後には氷点下になっていたのかもしれません。こんなに寒いのではキャンプは厳しいことでしょう。キャンプ文化が発達しているという西ヨーロッパでではキャンプ三昧を期待していたのですが考え直さなければいけないようです。
■寄り道
トルンへ行く途中に大きな塔と時計台が見えたので立ち寄ってみます。ブロドニツァという手のひらに十字を描いた変わった紋章を持つ街です。街の側面を小さな川が流れています。川のほとりに街を築くのは定石なのでしょうか。規模は小さくて1時間ほどで旧市街を一回りできるようなところですが、きちんと観光情報局があるのは大変助かります。
■トルン到着
ドイツ騎士修道会の居城があるトルンに到着です。幅100mはありそうなヴィスワ川のほとりにあり、高台に建設されています。しかも城壁は3重にめぐらされているという堅牢なつくりです。重機もない時代によくこんな代物をつくったものです。
ひとまず宿を確保するべく観光情報局を目指します。無料地図をもらって中庭つきのホステルを目指します。ロゴが某チョコクロワッサンのカフェに似ているような。朝食付きで一泊30PL(750円)と抜群のコストパフォーマンスでご満悦です。バイクの整備と街の散策をしてこの日はおしまいです。トルンは1泊だけして次の都市に向かいます。
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