■シベリアは寒かった
ふてくされながら過ごした夜が明けて朝の5時、えらい寒さで目が覚めました。どれどれ外気は…9℃だと! テントのフライシートが冷たい風になびいてぱたぱたと音をたてます。前日の日中は25℃と過ごしやすく、キャンプ日和かと思っていたのですがさすがにシベリアは甘くありません。キャンプしたところは草原の丘の上、密集した草の陰にテントを張っていました。草の塊から外に出ると、そこには美しい光景が広がっていました。見渡す限りの草原、広大な空は深い青をたたえています。陽が昇る方向はオレンジと青をミックスしたような表情で幻想的です。やー、キャンプしてよかった! 秋の空と旅人の心はこうにも変わりやすいものです。
■西へ向かう
悪い印象しか残らなかったチタを後に、1,000Kmほど西に位置するイルクーツクを目指します。イルクーツクに行くまでには世界に名だたるバイカル湖が控えていらっしゃる。行き先に観光スポットがあると長い道のりも楽しくなるというものです。
チタから西は400kmほど草原地帯が続き、次いで50Kmほど高低差がある森林地帯を走ります。路上で休憩しているとなにやら地響きがします。ふと音の先を見ると、道路脇の丘を馬の群れが走っています。すごい迫力! こんなの相手に槍一本で立ち向かったパイク兵はものすごい根性です。
田舎の宿でなんとかごまかしてレジストレーションができないものか考えましたが、いい具合に宿がみつかりません。そんなこんなで時間は17時。今日もキャンプに決定ですね。
■キャンプについて
森の間をまっすぐに伸びる幹線道路から森の中へ入っていきます。誰にも見つかることのないよう1Kmほど走って場所を確保。行けども車の轍があるのでどことなく心配ですが、これ以上進んでも迷ったり凶悪な生き物に出会ったりでそれはそれで怖い要素があるのでほどほどにします。ついでに分岐点に倒木を積み重ねてキャンプしている場所までうかつに来られないように用心します。
万一見つかった場合のことを考え、すぐに撤収できるようにテントはまだ展開しません。暗くなり始めるまで2時間ほど様子をみます。この間は食事とコーヒーのお時間です。木の葉がすれる音がしたのでびっくりして音がした方向に目をやると…シマリスがこちらの5mほどの場所まで走ってきた音でした。せわしげに木の実をかじる様子はなんともいぢめたくなるのでぃす。
22時ころからやっと暗くなり始めるのでテントの設営です。蚊とそのほかよくわからない虫たちから逃げるようにテントの中に転がり込みます。いやー、快適。この段階では外気20℃くらいですが、明け方の寒さ対策*にやや厚着をして眠るのでした。
*翌朝の外気は5℃でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿