2011/08/19

ペアランをする

■イタリア人登場
カザンからモスクワの間にはニジニ・ノブゴロド、ウラジーミルと大きな街が2つあります。それらは通過して周辺の小さな街を散策することにしました。なので今日はウラジーミル手前で宿をとることにします。

 カザンを出発して1時間ほど走ったところでイタリア人ライダーと出会いました。話を聞いてみたら彼も都市部は通過してモスクワに向かうそうです。「一緒に行かないかい」と誘われたのでペアランをしてみることにしました。2人だと宿代も割安になるので願ったりといいたいところでした。他の人の運転は性格が出て、見ていて面白いものです。後ろから車が幅寄せしてきても譲らず、抜かされたら2本の指を突き出して何か言っています。幅寄せされようものなら車をグーの手で殴り返しています。なかなか強情で怒りっぽいです。

■ペア解消
 ペアランをするにあたって遅くとも21時には宿をとることで合意をしていましたので、20時ころから宿を探します。1件目はひとり750ルーブルとモーテルにしてはやや高めです。2件目は600ルーブルで、やはりやや高いながらもバストイレ付きで内装も綺麗なので妥当なところでしょう。

 「このホテルはどうだい?」と聞かれたので「気に入ったよ」と答えます。ところが彼は嫌そうです。「若干高くないかい?だって600ルーブルで、駐車場代が100ルーブルだから、700ルーブル。つまり××ユーロということだろう?」しょうがないので次をあたります。1,500、1,400、1,800と続き雲行きが怪しくなってきました。

 5件目から出てきたころにはすでに22時を回っており、月がきれいに輝いています。23時ころにはいつの間にかウラジーミル市内に到着。このころには彼はこちらの存在を無視したかのような行動をとり始めていました。ロンプラ情報では最低でもひとり700ルーブルはかかります。「市街地のホテルは高い。郊外、たとえばスーズダリなどで宿を探したほうがいいのではないか」そう提案するもほとんど反応せずに走り去ります。

 よろしい、ならばさよならだ。ペアは自然解消することになりました。ガソリンスタンドで給油をして、ここから20Km離れたスーズダリを目指すことにします。給油後に飲んだ甘いコーヒーはとてもおいしかった。ひとりって気楽でいいなぁ!

■夜空の鑑賞会を検討する
 ウラジーミル市内を出ると、とたんに道路は真っ暗になりました。5Km毎にカフェがありますし、交通量も多めで人の気配はするのですが、何もないところは月明かりだけが頼りです。バイクの様子がいつもと違うなと思ったら、スピードメーターのバックライトが消えていました。速度はエンジンの様子でおおよそわかるので問題はありませんが、なんとなく落ち着きません。

 ふと夜空を見上げると北斗七星がくっきりと見えて、月明かりに照らされた雲が揺らいでいます。気温は9℃、湿度も低く絶好の夜空観察日和です。仕事を切り上げて夜空観察をするために甲府まで行った記憶がよみがえります。宿がなくたって夜空観察をしていればいいじゃない!

 ひとまずスーズダリまで向かい、適当な観察ポイントとあわよくば宿を探します。スーズダリ市内に入ると街頭の光はなく、月明かりに教会が照らされて神秘的な雰囲気をかもし出します。明かりが見えたのでそちらを見やると、教会の前で人の大きさほどもある炎が揺らめいています。現代から中世に迷い込んでしまった、そんな気分でした。

■ロシア人にまたまた助けられる
 現在地を確認しようとしばし観察しようと駐車しようとすると、誰かが近づいてきました。ロシア人の青年で、何か困っているのかと聞いてきます。夜1時を過ぎたころなのではじめは身構えましたが、家族と一緒のようなので一安心。高くないホテルを探しているんだ、と告げると彼はバイクを持ち出してきました。彼の家族が付いていきなさい、というのでひとまず後を追います。案内してくれたのは事前にチェックしておいた安めの宿です。

 宿の人をたたき起こし、僕を引き渡すと颯爽と去っていきました。うーん、ロシア人に助けられっぱなしだ。彼らの献身さはどこからくるのでしょうか。夜空の観察は後の機会に譲ることとし、今日はひとまず寝ることにするのでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿